この記事は、床・壁・家具・インテリアを選ぶ前に、
考え方を整えるためのメモです。
木とは違う、「いいな」と感じる瞬間
木の話をするときは、
「ぬくもり」や「やさしさ」といった言葉が自然と浮かびます。
では、石はどうでしょうか。
正直に言うと、木ほど身近な素材ではないかもしれません。
それでも、
家の中に石が使われている空間に入ると、
「あ、いいな」と感じることがあります。
理由を考えると、石ならではの安心感のようなものがある気がします。
家の中にあった、石の存在
祖父は石を扱う仕事をしていました。
その影響もあってか、
実家の家づくりには、自然と石が使われていました。
壁の一部や、カウンターの天板。
どれも特別に目立つものではありません。
でも、そこに石があるだけで、空間が少し引き締まる。
子どもの頃は意識していませんでしたが、
今振り返ると、
石はずっと「当たり前の背景」だったように思います。
タイルとは少し違う、天然石の印象
最近は、タイルをアクセントに使う内装も増えてきました。
掃除がしやすく、デザインも豊富で、
とても扱いやすい素材だと思います。
それでも、天然石には、
タイルとは少し違う空気があります。
タイルは、
完成したときの姿が、ある程度想像できます。
色や表情がそろっていて、
空間全体をきれいにまとめてくれます。
一方、天然石は、
貼ってみて初めて気づく表情があります。
同じ石でも、
光の当たり方や時間帯によって、
見え方が少しずつ変わります。
「整っている」というより、
自然にそこにある感じ。
天然石ならではの、ささやかな揺らぎが、
空間を落ち着いた印象にしているように思います。
大谷石に感じた、時間の流れ
以前、大谷石を使った空間を見たことがあります。
石なのに、
どこかやわらかい印象で、少し驚きました。
大谷石は、
時間が経つにつれて色が変わっていく石だそうです。
完成したときが一番きれい、
というより、使われながら少しずつ馴染んでいく。
その話を聞いて、
暮らしも同じだな、と思いました。
最初から完璧でなくてもいい。
時間と一緒に整っていけばいい。
変わらない石がくれる安心感
一方で、
御影石のような石を見ると、
また違った印象を受けます。
ほとんど変わらない。
何年経っても、同じようにそこにあり続ける。
その変わらなさに、
「本物を使っている」という感覚や、
安心感を覚えることがあります。
木が時間とともに変わっていく素材だとしたら、
石は、時間を受け止めてくれる素材なのかもしれません。
石は、使いすぎないほうがいい
ただし、石は万能な素材ではありません。
家のあちこちに使いすぎると、
少し緊張感のある空間になります。
おすすめなのは、一部だけに取り入れること。
壁の一面。
洗面まわり。
玄関の小さなスペース。
「ここだけ」と決めることで、石の良さが引き立ちます。
以前、素材を盛り込みすぎた空間を見て、
少し落ち着かないと感じたことがありました。
それ以来、引き算の大切さを意識しています。
背伸びせず、素材を選び分ける
背伸びせず、素材を選び分ける
すべてを上質な素材にする必要はありません。
目に入りやすい場所には、長く使えるものを。
日常的に汚れやすい場所には、扱いやすいものを。
そうやって選び分けると、
無理をしなくても、
暮らしは少しずつ整っていきます。
石も、暮らしの選択肢のひとつとして
石は、
毎日気にかけるような素材ではありません。
でも、
家の中にひとつあるだけで、
空間全体の印象をそっと底上げしてくれる。
そんな力を持った素材だと思います。
暮らしを大きく変えなくても、素材を少しだけ見直す。
石もまた、その選択肢のひとつです。
このノートでは、
そうした小さな選び方を、これからも記録していきたいと思います。
このメモが、次に何かを選ぶときの、
静かな判断材料になればうれしいです。


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