静かに暮らす、という小さな選択について

暮らしとデザイン

にぎやかな日々の中で気づいた、“静けさ”の価値

家の中は、いつも子どもたちの声でにぎやかです。
おもちゃの音、走り回る足音、今日あったことを一気に話したい子どもたちの声。
決して“静か”とは言えない毎日ですが、
だからこそ、ふと訪れる一瞬の静けさに気づくようになりました。

仕事では、建築家に話を伺ったり、
素材と向き合う空間づくりに立ち会ったりすることが多く、
その帰り道の余韻──
光の落ち方、木の香り、やわらかな空気──
そんな何気ない瞬間が、心を軽くしてくれることがよくあります。

「静けさ」というと、
音がない完璧な生活を想像しがちですが、
そうではなくて、
にぎやかさの中にある“ほっとできる余白”だと感じるようになりました。

家族との時間も、仕事の時間も、
どちらも大切にしたいからこそ、
その余白をどう育てるかに興味が向いていったのだと思います。


暮らしを整えるのは、劇的な変化ではなく“小さな工夫”

空間の仕事に長く携わってきて思うのは、
暮らしをよくするために必要なのは
“大胆な模様替え”でも“高価な家具”でもないということです。

例えば、
ソファの位置を少し変えるだけで光の回り方が変わったり、
お気に入りの木の道具をひとつ置くだけで
部屋の温度がふっとやわらかくなったりする。

静けさというのも、そうした小さな積み重ねの延長にあるものだと思います。

忙しい日々の中でも、

  • 朝、少し早く起きて淹れるコーヒー
  • 子どもが寝た後、明かりを落として片付ける時間
  • 床に座ったときに感じる素材の気持ちよさ
  • 風が抜ける窓辺の位置

ほんの数分、あるいは数ミリの世界でも、
暮らしの質は確かに変わります。

プロとして空間を見てきた経験と、
生活者として日々を過ごしてきた実感の両方から、
それを強く感じます。


Materia Note を始めた理由と、これから届けたいこと

にぎやかで慌ただしい毎日の中でも、
「静けさのある暮らし」を諦める必要はないと思っています。

完璧じゃなくてもいい。
理想通りに片付かなくてもいい。
子どもの声が響く家にも、
確かに“静けさ”は宿っている。

その静けさをどう見つけ、どう育てるか。
そのヒントを、私自身の日常と、空間づくりの経験を交えながら
ゆっくりと綴っていけたらと思っています。

Materia Note は、
暮らしの中の“ちいさな豊かさ”を一緒に見つけていく場所にしたい。

もしあなたの毎日にも、
そっと寄り添えるような言葉があれば嬉しく思います。

これからどうぞよろしくお願いいたします。

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